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「今はその時ではない…。」今は…?なんの話かしら。
「わからなくてもいい、ただ…聞いて欲しい」
「はい…。」
「いつか必ず…貴女を迎えに行く。必ず、だ。」
「えっ!?」
「あぁ。もう行かなければ。」
王子様はゆっくり立ち上がって、地面に座っている私を切ないまなざしで見下ろす。
「さようなら、姫…。」
私は去っていく王子様を止めることもできずに呆然とその場にいた。
「あの…優姫?梓だけど…聞こえてる?」
「見つけた…。」
「え?」
「私の…王子様…。」
そう。私はとうとう見つけたの。
私を迎えに来てくれる王子様を…。
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