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やっと鞄からお弁当を出した優姫を見て、私は優姫の前の席の人の椅子を借りて座った。
「ごめんなさい。私、本当に今日はぼーっとしていて。」
「全く。朝のあの…男のせい?」
もう少しでコスプレ男と言いそうになったが、そこは言葉にする寸前で飲み込んだ。
「やっぱり、わかる?」
少し頬を染めながらも、優姫は嬉しそうに喋りだした。
「私のこと、いつか迎えに来てくださるんですって。私、とても幸せだわ。私は今まであの方を待っていたのよ。でも、どちらのお国の王子様なのかしら。気になるところだわ…。もちろん、私が王妃様になっても梓はお友達よ。」
結婚式には来てね、と笑顔で微笑まれた私は気が遠くなるのを感じた。
そうですか。
お姫様の次は王妃様ですか。
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