王子様なんていない

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王子様なんていない

「ねぇ、梓。王子様っていつお姫様を迎えにきてくれるのかしら。 やっぱり、毒リンゴを食べて眠らないと迎えにきてくれないの?」 親愛なる友人である桜井優姫は、幼い頃からこの問い掛けを私にしてきた。 私はそのたびに 「そのうち来るでしょ。」 と答え続けていた。 そう。そのうち…優姫も現実に気付くはず。 お姫様も王子様も、どこにもいないのだということに。 けれど、彼女は高校生になった今でも自分をお姫様と思い込みんで、王子様の存在を信じている。 そんななか…運命の出会いは訪れた。 登校途中に倒れていたのは、なんとも素敵な王子様。 やっぱり王子様は存在したのね! …っていうのは優姫から見たあの男の感想であって、 一般人視点ではない。 それでは、普通の一般人だと自負している私、工藤梓から見たあの男の印象をお伝えしたいと思う。 …あれは間違いない。 危ないコスプレ変態男だ!
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