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「どさくさに紛れて、人の身体をベタベタ触ってたじゃない!」
はい!?
「いくら人を助ける為だからって言っても、必要以上に身体を密着させたり抱き締めるのは変よ!」
もしや、あの時の力ずくで押した行動の事を言ってんのか!? なら俺にだって言い分はあるぞ!
「何言ってんだ! お前らが逆に押し返してきたりするからだろ! 大体標的が自ら戻ってきたのにどうして捕まえねえんだよ!」
お前らの本来の目的は逃げた俺を捕まえて社会的に抹殺する事じゃなかったのか!?
「話題をすり替えて自分を正当化しようとするんじゃないわよ!」
「してねえよ!」
何言ってやがんだこの女。自分の都合が悪くなるとこれかよ。
「そもそもアンタが私達に変態な視線を向けてくるから悪いのよ! 悪いのはアンタ! 全部よ!」
なんていう俺の存在全否定口撃。ってか、それについては既にもう違うって言っただろ! 勘違いも甚だしいわ!
「だから違うって言ってんだろ! 俺はお前らを見たくて見ていた訳じゃねえ! 掲示板の前に偶々お前らが立ってたから仕方なしに見ちまっただけだ! 存在全否定されるような変態的な視線は全く向けちゃいねえ!!」
人の事をよく知りもしないで好き勝手言ってくれやがって。これで分かっただろ!
「じゃあ、その後の言葉は何!」
「だから……あれはお世辞だ!」
実際は頭が沸いてた事による只のお馬鹿な言動だが。この際知ったことか。押し切らせてもらう!
「お世辞で人をお茶に誘うの!?」
「あ、あ……ああ、そうだよ! 悪いか!」
若干テンパりながらも、とにかく押し通す。アレ? 何だろう……俺の方が優勢だったのに、何だか追い込まれている感じがする。
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