02能力格差

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「とにかく、早く教室に行け」 「えー…、だって、つまんない」 促したものの、かなり不服そうにしている。 「いや、ダメだ。 早く入れ。これから色々説明あるんだからな」 「やだ。話しとか退屈過ぎる」 何回も言うが、仮にもこいつは入試で3位だった秀才だ。 何故か、杜若零は行動がそこら辺にいる馬鹿と同じだ。 どうせ、勉強もしてないだろう。 零の態度は必死で試験勉強をした奴の様じゃない。 こいつは、余裕綽々という感じだ。 俺からすれば羨ましい天才。 憎いぐらいの。 九条院さんはそれ以上だろう。 ってか、学年2位は誰なんだ? 「あ、2位はね、藍の親友のね 結城佳奈って子」 ん?何でわかるんだ? 「やろうと思えば覗けるんだよ。 藍が教えてくれた~」 読心術… いや、九条院さん…とんでもない術を教えたな…零に。 「あぁ…そうか」 「うんとねー…佳奈はA組だよ」 あぁ…九条院さんと同じだな。 「それで零がB組なんだろ? お前はどんだけ出来なかったんだよ」 「えー…だって、面倒だったし。 まぁ、適当にちゃちゃっと片付けたらそーなった」 ん?試験の問題を適当に片付ける? そんなことがあっていい訳無い。 しかし、現にこいつは、上位だ。 「ったく…真面目にやれよ。 ほら、早く行け。もうすぐ始まるだろ」 「えー…、郁人君だけだよ。遅れて損するのは」 「は?」 「だって、私は、遅れても説教とか無いよ」 あー…上位の生徒は特別なんだっけ。 残念ながら適用出来るのはトップ5までで、俺は、ランク外だ。 「あーはいはい。 どうでもいいから教室行け」 「冷たいなぁ…教室行けばいいんでしょ!あ、郁人君後でね~」 廊下を当然の如く零は走って行った。 零はとんでもない常識破りの奴だと確信した。
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