02能力格差

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教室に入ると既に仲良しグループたるものが出来ており、主に女子が固まっていた。 そうだとしても、俺に関係ない。 席は名簿で座るらしく、既に座っている者も少なくは無い。 俺の席は入り口付近だ。 椅子を引き、席について情報端末をチェックする。 零からメッセージが来ていたが、殆どは 暇だの退屈だのというものばかり。 半ば呆れつつ情報端末をしまった。 「おっ、お前があの高嶺の花と仲が良さげなイケメン君?」 ふと、顔を上げると、顔立ちはいい方だが、軽薄そうな少年がいた。 「高嶺の花?」 とりあえずこの確認はしておきたい。 「え、知らねぇの? 高嶺の花って言えば、首席の九条院藍と杜若零だろ!」 いや、待て。 九条院さんなら納得。 何故、零まで? 奴は確かに美形だけど残念なくらいにハイテンションだ。 結論…有り得ない。 「は?」 取り敢えず、一言返しておく。 「まぁ、そんなに怖い顔すんなよ。 俺、市波玲音(いちなみ れおん)だ。 宜しくな!」 勝手に友達決定されたが、自己紹介ぐらいは返さないと失礼だろう。 「…俺は、高宮郁人」 「クールだな。郁人は」 市波がテンションが高過ぎるだけだと思うのは俺だけだろうか。
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