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はあ…はあ……。 かなりの距離を走って来たが、まだ追いつかない。 でも、あいつが来るとしたら多分この海だ。
思い出の海。 出会った頃、散歩した浜辺。 叢のぽっかり空いた所で来る日も来る日も話した浜辺。 そして初めてのキスもこの浜辺だ。
この浜辺の脇の叢、その中の開けた空間。 いつもそうだった。 いつも喧嘩して飛び出して行ってそこで泣いているのだ。 だから俺がいつも迎えに行って、抱き締める。 そして星を二人で眺めて帰る。
いつもならそれで済む。 だけど、もうダメだろう。 ともかく見つけ出さなくては。
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