ニュース。その時間は数秒。

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 着いた。 波の音だけが響く夜の海。 石造りの階段を降りて、砂浜を息を整えながら歩く。 一応懐中電灯は持ってきていたが、光は細く心許ない。 叢の方を照らして、入り口を探す。 見つけた。 獣道のように細い通り道。 人ひとりがやっと通れるほどの細さである。 先を照らしながら、横歩きで入って行く。 すすきのような背の高い草を掻き分けながら。 顔に当たって鬱陶しい。 もう少しのはずだ。
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