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視界が開ける。 着いた。 辺りを懐中電灯で照らす。 居た。 体操座りでうずくまっていた。 光で気付いたのだろう顔を上げた。
「龍君…… なんで?」
「何でって…… 辺り前だろ?」
「だって… 私、あんな酷いこと言ったんだよ? 私が悪いのに。 私が龍君を裏切るようなことしたのに……」
そこまで言うと、彼女は泣き始めた。 俺は彼女のもとまで歩いて行って、抱き締めた。
「もういい。 大丈夫だから。 もう許すから。 ね?」
「でも… でも… 私、最低な女だよ? 許してもらえるようなことじゃないもん。」
「もういい。 俺も悪かったんだ。 お前に寂しい思いをさせたりした俺が。 だから、ね? もう泣き止んで。」
人差し指で彼女の涙を拭う。 彼女は俺の胸に抱き付いて泣きじゃくりはじめた。
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