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父と暮らし始め、毎日は前より平和だった。
ただ少し違うのは、父には新しい伴侶ができたこと。
つまり私の新しいお母さんだ。
「閑梛ちゃん、ご飯は?」
私が帰宅すると彼女は問いかける。
「ごめん、食べてきた。」
「そう…。」
彼女は私のために一生懸命尽くしてくれる。
私が母のもとでどんな仕打ちをされたか知っているからだ。
昔の母のようにとても優しい。
「オギャァァアア!!」
「あー、はいはい、今行くよ。」
彼女は小さな赤ん坊のもとへかけよる。
半年前に父と彼女の間に出来た新しい命。
つまり私の妹にあたる。
彼女は優しく抱き抱える。
私はそれを見て嫉妬のような感情が芽生える。
息がつまる。
自室に駆け込むと腕を切る。
うっすらと赤い線が出来る。
死ぬつもりはあまり無い。
だから傷もあまり深くない。
ただ、自我を保つためだ。
いつまでこんな生活を続けるのだろうといつも思う。
自分の未来が見えない。
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