ツバメの王子様

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「お待たせしました」 「千佳(ちか)さん宛にお届けものです。こちらにサインか判子をお願いします」 「あ、はい」 ここで敢えてサインを選ぶのがポイントだ。 「寒くなりましたね」 書きながら、その一瞬の隙に一言。 「そうですね」 「いつもすみません。遅い時間に」 「いえ、大丈夫ですよ。じゃ、ありがとうございました」 …はい、終了。 チーン、と心の中でゴングが鳴る。 これで私の1週間に1度のキュンが終わった。 …って、この状況を楽しんでる私が終わってるな。
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