プロローグ

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記憶という名の引き出しにしまわれた遠い過去。 時の経過とともに、少しずつ薄れ、忘れゆくそれらを、時々そっと取り出して手のひらに乗せ眺める。 今ならわかる。 あの時の痛みは、きっと今こうして穏やかに笑うためにあった。 前に進もうとする自分に、大丈夫だと、強さを与えるためにあった。 昨日より今日、今日より明日、私はもっと強くなれる。 あの頃の自分があるからこそ。
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