9900人が本棚に入れています
本棚に追加
「会長はお前を『雅の婚約者』として連れて来いと言った。」
「ハイ?」
ぱちくりと瞬きした。
「でもそれを言った所で、お前が素直に来るとは思えなかったから、雅か暁が勝手に『家政婦として』と言うことにしたんだろう。…お前を連れて来れないことで、会長がまたヘソを曲げて屋敷に戻らないと困るからな。」
「…じゃ、雅さんも…?」
「お前が婚約者になるという事は承知してる。」
「そんなバカな!?」
のけ反る勢いで驚いて、後ろのドアにガタンと背中がぶつかった。
…何の為に!?
何で雅さんと私が!?
それで雅さんはいいの!?よくないに決まってるよね!?
鷹守さんがコチラに近づいてきた。
「『そんなバカな?』…全くだな。何で野良猫をわざわざ。」
鷹守さんは私のすぐ傍まで来ると、蔑むような目で見下ろした。
冷ややかな切れ長の目。
最初のコメントを投稿しよう!