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クッとまた喉の奥で笑う声。
「大袈裟?大袈裟でも何でもない。会長は本来、あんなボロ家にいるべき方じゃない。…会長を戻す為なら、どんな事だってするさ。」
傲慢な言い方にムッときて、勇気を振り絞り、その冷たい目をキッと睨み返した。
「このお屋敷がイヤだから、あそこに住んでたんでしょう?東條さんが住みたい所に住まわせてあげればいいじゃない。…そしてまた追いかければいいじゃない。その『東條』のチカラを使って。…どうせ今までもそうやってきたんでしょう?東條さんの大学に圧力かけるとか、コッソリ護衛するとか。」
「浅いな、野良猫。」
ドアノブを掴む私の手を押さえる力が強くなった。
痛みを感じて手を離そうと抵抗したら、むしろその手を後ろ手に捻るように掴み直された。
もっと痛くなって、思わず顔が歪む。
「もう今は、お前が考えてるようなレベルの問題じゃないんだよ。…そしてお前に選択権はない。」
「なっ…!?」
鷹守さんは私の手を縛ってる手とは反対の手で私の顎を掴み、グッと上に向けさせた。
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