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まるでキスでもされそうな姿勢だけど、ココにあるのはそんな甘い雰囲気じゃない。
むしろピリッとしたイヤな緊張感。
目に力を入れて、鷹守さんに負けないように睨み続ける。
「…私だってそんなのゴメンなんですけど。…監禁でもするつもりですか?」
「まぁそういう事になるだろうな。選択権はないと言った。」
「…何で私が…。」
「知らん。そして何も考えるな。言われた事だけやってればいい。…会長を説得するなら勝手に頑張ってくれ。会長が考え直してくれるならこちらも万々歳だ。」
「……。」
私は顎を掴まれたまま小さくため息をついて、視線だけ斜め下に落とした。
その時突然、鷹守さんのケータイのバイブ音が鳴って、私はビクッと飛び跳ねるように驚いた。
鷹守さんが両手を離し、私は自由になった。
掴まれていた手首を押さえてさすりながら、はあーっと深い深いため息をつく。
鷹守さんはケータイで一言二言喋ると、部屋を出て行こうとした。
何か急用ができたらしい。
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