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そもそも自炊らしい自炊をしないんだろうなって感じで、カップ麺とかレトルトの袋が一杯だった。
鍋は小さな片手鍋が一つだけ。
…コレだけですかい?
もしかして実はメッチャ貧乏とか?
2倍の給料を払ってまで、住み込みで家政婦を雇う余裕はあるのに?
何かよく分かんないって思うけど、家政婦はあくまでただの家政婦。
ご主人様に対する余計な詮索はタブー。
それから色々したいことはあったけど、とりあえず晩ごはんを作ることにして、冷蔵庫を開けた。
そしてピタッと固まる私。
「……。」
…そうか、そうだよね。
このキッチンを見た時に察するべきだった。
冷蔵庫の中は見事に空っぽ。
調味料すらなかった。
時刻はもう6時になる所。…ヤバイ、急いで何か作んないと。
書斎の東條さんにドア越しに声をかけた。
「すみません、ちょっとスーパーに買い物に行って来ます。」
「スーパー?…あぁ、そうかそうか、申し訳ない。最初に何もないって言っておくべきだった。」
はたと思いついたような声を出して、東條さんがわざわざ書斎から出てきてくれた。
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