* 玉の輿の「た」すら見えない頃

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…そーゆーもんなの? それならそれでいーのかしら? あんまり東條さんが穏やかに言うから、何だか色んな疑問はまぁいっかって思えてきた。 …いいって言うならいいんだよね、きっと。 そもそもポジティブさと逞しさは私のウリ。 加えて臨機応変とかも割と得意な方。 人生なるよーになるってコトだね!! それから2、3週間ほど過ぎた。 2人暮らしにもだいぶ慣れて、結構仲良く楽しくやってると思う。 東條さんはなぜか、毎日の夕食は私も一緒に食べるように強制した。 そんなコト言うご主人様なんて今までいなかったからビックリしたけど、やっぱり誰かと話しながら食べる夕食ってのはいい。 私も東條さんも結構話し好きだから、夕食の席はなかなか盛り上がる。 話題は東條さんの大学での講義の様子とか、最近の若者についてとか、…あとは私の実家の話とか。 本来なら、家政婦がご主人様と一緒の食卓に着くなんて言語道断だろうけど、今はもう個人契約に切り替えられてるし、そのご主人様がいいって言うんだからいっか、なんて思ってた。
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