* 玉の輿の「た」すら見えない頃

32/69
前へ
/921ページ
次へ
夕食の後、東條さん達3人はお酒を飲むことになった。 ウイスキーと簡単なおつまみ、そしてウーロン茶を用意して居間に持って行った。 鷹守さんは運転手だから飲まないらしい。 2人は泊まらないで帰ると聞いて、ちょっとホッとした。 …泊まるって言われても、お客様用の布団とかもないんだけどね、このウチ。 先に休んでいいと言われたので、色々な後片付けと明日の準備をこなしてからシャワーを浴びた。 居間からは時折、和やかな笑い声が聞こえてる。 ふと、鷹守さんでも笑うコトがあるんだろうか?なんて、真剣に考えてしまった。 それから自分の部屋で、ばあちゃんへの手紙を書いた。 ばあちゃんはケータイを持ってないからメールはできない。 私は近況報告も兼ねて、2、3か月に一度は手紙を送るようにしていた。 一応、『お兄ちゃん元気?』の一言も添えて。 …コレがないとうるさいんだ、あのヒト。
/921ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9894人が本棚に入れています
本棚に追加