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「でも、欲をいうとね。本当は私、弟よりも妹がほしかったのよ。だって、弟とかだと一緒に買い物したりできないじゃない?でも、妹ならこうして一緒にお出かけしたり、買い物したりもできるし!」
なるほどね…楓さんの夢ってのは“姉妹で買い物や出かけたりしたかった”ってことか。
「どっちかっていうと、楓さんの方が妹って感じだけどね」
「えぇ~!私って、そんな頼りない!?これでも、一生懸命おねぇーさんしているつもりなのに~!」
「ふ…あはは!冗談だってば、いつも楓さんには感謝してるよ」
本気で落ち込んでいる楓さんをみて、笑いがこみあげてくる。なんだか、本当…子供っぽい人だな。
「あ…やっと笑ってくれたねッ。よかった~」
「え…?」
「気づいてなかった?姫乃ちゃん…女の子になっちゃってから、一度も笑ってないんだよ?だから、私…すごっく心配してたんだ…。いつも、お家で引きこもってたしね。今日、無理やり買い物に連れてきて、よかったよッ」
そうだったのか…俺、知らない間に心配させてたんだな。
「本当のことをいうとさ…俺、すげぇー不安なんだ」
今まで胸の内に隠していたものを吐き出すようにして話す。
「こんな姿になっちまって…どうしていいか分からないしさ。学校だって、友達できるかも不安だし、一人ぽっちにならないかとか…いつも、寝る前にそういうので頭の中が不安でいっぱいなんだ」
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