2861人が本棚に入れています
本棚に追加
/533ページ
「大丈夫だよ、姫乃ちゃん!」
優しく、そっと俺の手に両手を添えてくれる楓さん。
「私、姫乃ちゃんが学校行っている間は何の協力もできたりできないけど…お家にいるときとかは、姫乃ちゃんの相談にも乗るし何だってしてあげるよ?だって、私たち…家族でしょ?家族はそういうものなんだよッ」
「か、楓さん…」
柄にもなく、目頭が熱くなるのを感じた。今の俺には、その優しい言葉だけで涙が出そうになってしまう。
「うん!大丈夫!友達だって、いっぱいできるよ。こんなに可愛いんだもんッ。“彼氏”だってできちゃうよ!」
「楓さん…今のセリフで、さっきのいい言葉が台無しだよっ」
「え?え!?な、なんか…私、変なこといっちゃったかな!?」
慌てふためく楓さんを見ていると、そんなこともどうでもよくなってきた。
「なんでもないよッ。ありがとう。やっぱ、楓さんは、いいお姉ちゃんだなって思っただけ」
「??」キョットン
言われた楓さんは、意味がわかってないのか頭の上にクエスッチョンマークを浮かべていた。
「そういえば…まだ“アイツ”に連絡してないな。ってか、もう出来ないか?こんな姿だし、会うこともできないかもな」
「アイツって?」
「中学の時に、よく家に遊びに来ていたじゃん?」
「あぁ~“士騎くん”ね」
最初のコメントを投稿しよう!