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「姫乃ちゃん。もう、今後あんなことはしちゃダメだからね!」
「あ、あんな…ことって?」
「何度も言うけど、姫乃ちゃんは女の子なんだよ?だから、もう准くんを殴ったりするのはダメ!」
楓さんから告げられたのは衝撃的なモノだった。殴っちゃダメって…じゃぁ、今後あの馬鹿兄貴の暴走をどう止めろって言うんだ!?
「だ、だって、あれは全部兄貴の所為で俺の所為じゃ…!」
「その“俺”って自分のことを言うのも禁止!!あと、男の子口調もダメだから」
「ええぇぇー!じゃ、じゃ…なんて言うのさ!?」
「姫乃ちゃんは、女の子なんだから“私”とか“アタシ”って言えばいいの。それに、明日から学校でしょ?女の子が“俺”なんて言ったら、周りは変に思っちゃうよ?そろそろ、練習して慣れていかないとダメだよ」
たしかに、言われてみれば…変かもしれない。それに、周りから浮いてしまえば、タダでさえ不安な高校生活だ。それに拍車がかかってしまい、俺は変人扱いだ。
「わ、わかったって…時間かかるかもしれないけど、出来るだけ努力する」
「うん!努力する人は、私好きよ。それじゃ、私は朝食の後片付けしなきゃいけないから、わからないことがあれば言ってね」
先ほどの鬼のような顔と違い、優しい顔で微笑む楓さん。
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