第三話 成神くん襲来!

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「もう~いい加減にしないと──姫乃ちゃんが士郎くんだって、士騎くんにばらすわよ?」 楓さんは、俺の耳元でボソッと囁く。なんて、恐ろしいことを考えるんだこの人は!悪魔か!?それを聞いて、しぶしぶと腰をあげて楓さんの背中にしがみ付いて出ていく。 「そんな、くっ付いていたお客さんに挨拶できないわよ~?」 「うぅ…」 楓さんを通して、すぐ目の前には士騎がいる。どんな顔をして会話しろっていうんだよ…まだ、そんな心の準備もできていないっていうのに。 「楓さん、そんな無理やりに挨拶させなくってもいいですよ。それに、その子…俺のこと警戒しているみたいだし」 そんな俺の様子をみて、すかさずに士騎がフォローを入れてくれる。 「いいのよ~。この子、タダ単に照れているだけなの。可愛いでしょ?」フフフ 「は、はぁ…」 「とりあえず、座ろうか?立ち話もなんだしねッ」 ソファに腰掛ける三人。俺は、もちろん楓さんの隣を陣取る。できるだけ、士騎の方を見ないようにと明後日の方向を向き続けている。 「ほら~姫乃ちゃん?そんな方見てないで、ご挨拶しましょうねぇ~」 まるで、楓さんは子供にいい聞かせるかのようにしてくる。
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