第三十二話 新生活のはじまり?

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「髪型…よし。スカート…よし、制服の着こなし…よし。笑顔よし!」ニコ 今日から学校。昨夜は緊張のあまり寝付きも悪く、朝も目覚ましよりも早く起きてしまった。 鏡の前で身なりをチェックしながら、目の下に隈が出来ていないか確認。 「姫乃ちゃん、おはよ…ふぁ~ん」 「おはようございます。准お兄ちゃん」 「それにしても早いね」 「えぇ。今日から登校なので…緊張しちゃって」 「なるほどね…って、なんだか転校初日のときの姫乃ちゃんを見てるみたいで面白いけどね」 「そうなんですか?」 「うん。鏡の前でいろいろやってたよ。ちょうど今の姫乃ちゃんみたいにね」 以前のあたしも、緊張していたみたい。 「…と。そろそろ、士騎さんが迎えにくる時間──」 ぴ~んぽ~ん 玄関の呼び鈴が響きたる。 「え?もう行くの?」 「まぁ。少し早いですが…色々、案内してもらいながら登校しようかなって。それに職員室で先生ともお話しなければなりませんので」 「そっか…。それじゃ、気をつけて行ってきてね」 「はい!それでは行ってきます」 緊張しながらも玄関へと向かう。 扉を開ける前に再度確認しておこう。 玄関に置かれた鏡でチェックする。 うん…たぶん平気。 扉の向こうに彼が待っていてくれる。 待たせてはいけないし。早く出てあげないと。
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