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「へぇ…ここがあたしの通っていた学園なんですね」
「まぁ、そういうことになるな」
思っていた以上に大きいところだな。
「下駄箱まで案内してやるから付いてこいよ」
「はい、お願いします」
下駄箱の位置までやってくる。すると、そこには『姫川姫乃』と書かれた場所がある。ここがあたしの靴箱のようだ。
中から上履きをとって履きかえる。
「後は、たしか職員室だったな」
「はい。担任の先生と会っておくように楓お姉ちゃんから言われましたので」
「なら、あそこが職員室だ」
くるっと後ろを振り返るとそこには職員室と書かれたプレートがあった。
「ここまで来れば、もう一人でも大丈夫だろう?」
「大丈夫ですよ。そこまで子供ではありませんし」
「そっか。じゃぁ、俺はこれで」
「──あの!ひとつ聞いてもいいですか…?」
「なんだ?」
あたしはさっきから…と言うよりずっと気になっていた事を聞いてみる。
「さっき、あの人たちが言っていた。あんなことをしたって…あたし士騎さんに何かしてしまったんでしょうか?もし、大変なことをしてしまったなら誤りたいです」
「……その事か。悪いけど…あんまり聞かないでくれ。思い出すだけで(恥ずかしくって)お前の顔…見れなくなる」プイ
「そ…そうですか。そ、そうですよね。大変なことしちゃったんですね、あたし」アハハ…シュン
う…士騎さんの反応を見るからにとんでもない事をしたのは間違いないみたい。それも思い出すだけであたしの顔を見れなくなるくらいの。
つまり、士騎さんはいままで無理してあたしのお世話してくれていたのかな。うぅ…謝りたいけど、そういう空気じゃないしな。
はぁ…どうしよう。あたし。
落ち込んだ気持ちになりながら、職員室へと入っていくのだった。
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