第六話 初めてする事は、誰しも緊張する

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『見て、ほら痴話喧嘩よ。奥さん』 『あら、いいわね~若いって』 俺たちの口論を見ていたおば様方が、ニコニコにながら通り過ぎる。 「「………」」 そして、俺たちの間には何ともいえない雰囲気が漂う。 「な?こんな言い争いしても仕方ないから、そろそろ行こうぜ…」 「そ、そうね…っ」 道のど真ん中で、口論していた事が今になって恥ずかしくなってきた。人間、頭に血が上ると周りが見えなくなってしまうってのは、本当のことのようだ。 その後、士騎は俺の歩幅に合わせるように…ゆっくりと歩いてくれた。 * 「で?このままだと、予定通りの時間に着くんだが…寄りたいところとかねぇーの?一時間もファミレスで暇潰すのか?」 「寄りたいところっていわれてもね…」 そもそも、ほとんどのお店が10時に開店するのだから寄れるところなんてない。合ったとしても、こんな気持ちじゃ落ち着いてもいられない。 「特にないから、ファミレスに入ってお茶したい」 「ふ~ん。お前がそれでいいんなら、いいんだけどな」 そして、予定通り10時前後にはファミレスの前までやってきた。 店内に入ると、店員さんがやってきて 「お客さま、二名様でですか?禁煙席と喫煙席どちらになさいますか?」 と、マニュアル通りの接客をする。 「あ~禁煙席で」 「それでは、お好きな席へどうぞ」 士騎が受け答えすると、禁煙席のほうへと案内される。
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