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「ただいま」
「おかえりぃ」
キッチンから顔だけ出すと、ネクタイを緩めながらこっちへ歩いてくる彼
うっとりするくらい色っぽい彼に、お鍋をそのままに飛び出して抱きついた
「ねー、今日泊まっていい?」
彼の背中に手を回しながらおねだり
だけど…
何か違和感を感じて顔をそっと見上げる
「俺は大歓迎だけど?」
「えっ?拓さん!?」
慌てて離れると「バレたか残念」と悔しがる顔
「もぅ!陸と拓さん似すぎ!」
「しょうがないじゃん双子なんだから。さて、着替えて来よう」
拓さんが部屋へ戻るのを確認して、キッチンへ戻る
火にかけた鍋を見つめながら、未だドキドキする胸に手をあてる。
顔も声も同じなのに、体は拓さんの方がガッチリしてる……
SEの陸と職人の拓さん。
昔から中身は全然似てないって言ってたっけ
未だ体に残る感覚を思い出すだけでカーッと熱くなる
「どうかしてる」
「何が?」
「キャッ!」
誰もいないと思っての独り言だったのに、いつの間にか背後には拓さんが立っていた。
「上手そうな匂いしてると思って来たら、一人で百面相してたよ?」
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