1.目覚めた兵

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………………ロ…… …………ン……ロ……… 「アンジェロ!!大丈夫でスか!!アンジェーーぐもっ!」 「起きたから大丈夫だ。後、頭に響くからそんな近くで大声を出さないでくれマルク」 頭のゼラチン体ーーマルクを鷲掴みにして、アンジェロは体を起こす。 霧で見えにくくはあるが、辺りは緩やかな斜面に囲まれ、まるで小規模のクレーターみたいな場所であった。中央には寂しく一本の木が立っていたが、よく見るとこの林の中のどの木とも違い、神秘的な佇まいをしていた。 「不思議だな。この木だけ、ものすごい生命力を感じるな」 「そうでスか?私には全くわかりませんが」 「全くこれだからお前は……ん?」 殺気を感じた彼女はそちらに視線を向けると、そこには先程彼女を追っかけ回した魔物が怒りを露わにして、こちらに迫っていた。
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