1.目覚めた兵

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反射的に魔物の手が出るが、彼女は速かった。 攻撃を避けると同時に魔物の目から彼女は姿を消し、次の瞬間には背後からの凄まじい連撃が魔物にヒットした。 (いける!魔物でもこの程度なら私に倒せる!) 己の油断が一瞬、判断を鈍らせた。 影で息を潜めていたもう一匹の魔物が飛び出し、勢いのまま彼女を先程の木の根元まで吹き飛ばした。 「がはっ…!!」 「アンジェロッ!!」 身体強化により、致命傷には至らなかったが、それでしばらくまともに動けそうになく、尚且つ臨戦体制に戻った魔物二体までどうにかする術もない。彼女は窮地に陥っていた。 「平気でスかアンジェロ!立ってください!ここは逃げまスよ!」 「すまない……動けな…いんだ…………」 「くっ!ではここは私が!」 そういってマルクは彼女の前に出るが、戦力の差は火を見るよりも明らか。状況は悪いままである。
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