5人が本棚に入れています
本棚に追加
反射的に魔物の手が出るが、彼女は速かった。
攻撃を避けると同時に魔物の目から彼女は姿を消し、次の瞬間には背後からの凄まじい連撃が魔物にヒットした。
(いける!魔物でもこの程度なら私に倒せる!)
己の油断が一瞬、判断を鈍らせた。
影で息を潜めていたもう一匹の魔物が飛び出し、勢いのまま彼女を先程の木の根元まで吹き飛ばした。
「がはっ…!!」
「アンジェロッ!!」
身体強化により、致命傷には至らなかったが、それでしばらくまともに動けそうになく、尚且つ臨戦体制に戻った魔物二体までどうにかする術もない。彼女は窮地に陥っていた。
「平気でスかアンジェロ!立ってください!ここは逃げまスよ!」
「すまない……動けな…いんだ…………」
「くっ!ではここは私が!」
そういってマルクは彼女の前に出るが、戦力の差は火を見るよりも明らか。状況は悪いままである。
最初のコメントを投稿しよう!