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「いつか王子様にむかえにきてもらう!」
たしか幼稚園時代にお姫様と王子様が描かれた絵本を広げて一番仲の良かった子がわたしに自慢気に言ってきた。
「なんで王子様なのー?」
「だってかっこいいじゃない!
だめだよ、かなのちゃんはあたしの王子様とっちゃー」
子どもながらになんちゅう会話をしているんだろうと今更ながら思うが、その時からきっと私は変わってたんだろう。
白馬に乗った王子様には目もくれずに、お姫様を見つめる端にいるお一人の男の子に目が向かう。
「わたしは王子様より、こっちのお姫様を取られちゃった男の子の方がいいなー」
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