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「いった!」
引きずり込まれた勢いで床に大きな音をたて激突する。
あまりの痛さに転げ回りそうになったけど、上から聞こえてきた声にピタリと固まった。
「お前今まで何してたんや」
「ユ…ウジ」
冷たさを含む声音で投げつけられた言葉に、俺は冷や汗を浮かべて名前を小さく呼ぶことしかできない。
なんで怒ってるん?
ずっと待っとってくれてたんや
言いたいことが一気に頭の中を駆け巡って、上手く声が出せないながらも口をパクパクと動かす。
「ユ、…ジ、俺「なぁ謙也…俺ら別れよか」……え?」
ユウジから急に告げられた言葉に頭の中が真っ白になる。
「は、はは…ユウジ、何やねんそのボケ、つまらんわ」
「謙也さ、俺とおっても楽しないやろ…やから――…」
「や、だ…っいやや…そんなんっ!」
嘘やん、やめてや、聞きたない
無意識にユウジへ手を伸ばす。
お願いだから掴んで、離さないで
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