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光に話すのが怖くてずっと話せなかった話――…
光は俺にとって大事な恋人でずっと一緒にいたいと心から思える相手。
それはこれから先も変わることはない。
だけど、やっぱり男同士の恋愛は世間体にも非難されて認められないことだから…だから言えなかった。
光と離れないといけないのが解ってるから、子供みたいに悪あがきして必死に認めないようにして…
日に日に認めなくてはいけない時が迫ってきては、耳を塞ぎ心の中で嫌だと拒絶を繰り返した。
なんて苦しい世の中だろう、なんて絶望的な未来なんだろう。
家が病院なんてやってなければ…俺が女であれば…――
未来は変わってたんやろな
頭を駆け巡るのはそんなことばかりだった。
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あの後、無言で帰って行った光を止める事も出来ず、ただその場で立ち尽くすことしか出来なかった。
言いたい事が沢山あるのに所詮それは言い訳にしかならなくて、今の現状に苦しさで押し潰されそうになる。
光、ひかる…ごめん、ごめんな…――暫くして口から漏れたのは、謝罪の言葉と嗚咽。
あんなに幸せだった日々がこんな形で終わってしまうのかと、年甲斐もなく涙を流した。
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