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現在喜平は、家業を息子の正俊に任せ、隠居生活を送っている。
中田を出迎えた喜平を見て中田は少々驚いた。
喜平の右腕は包帯が巻かれ、三角巾で吊られていたのだ。
「あれ?喜平さん?
一体どうしたんです?」
中田は挨拶も忘れ喜平にたずねた。
「いやあ、先週末ね、畑へ行く途中で転んで、そのまま側溝に落っこっちまってねえ。
落っこちた時にこの様さね」
喜平はそう言うと快活に笑った。
「それは大変でしたね、でどんな状態何ですか?」
「まああれだ、単純骨折って奴だったらしくてな、暫く固定したら治るっていわれてっから大したこたぁないらしい。
それより、立ち話ってのもなんだな。
中田さん、家で話そうじゃあないか」
喜平に言われて、中田は家に通された。
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