呪い

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「こりゃあ何かおかしいぞとおもってな、銅鏡を包んでいた和紙に書いてある文字を読んで見ようと思ったが、古すぎて、というか、達筆過ぎて儂には読めなかったんだが、辛うじて解る部分があってな、 和紙には結構長い文章が書かれていたんだが、繰返し、 右手 と言う文字が出てくるんだよ」 「右手、ですか……」 「そう。 右手とな。 で、こいつをどうにかしなきゃあならんと思ったんだ。 こんな物は元あった場所に仕舞っちまおうか、寺にでも預けちまおうと思ってこいつの入っていた箱に仕舞おうとしたんだが、何処にやったのか箱が無い。 気持ちが悪いから近所の寺に預けにいっても断られる。 何とか頼むとすがってみたら、住職がな、ここに連絡してみなさいと、他の寺の電話番号を教えてくれたんで、電話をしてみたんだよ。 そしたらな、鏡に何も映らない様に何かに包んでおきなさいと言う。 あわてて間風呂敷で包んで、後はどうしたら良いのか聴いてみたんだがな、 とりあえず何も映らない様にしておいたら問題無いから、家に置いておけと、そう言ったんだ。 しかし息子の嫁が嫌がってなあ…… 妻と一緒に家を出て行っちまって…… もう一度、住職に貰った電話番号にかけてみると、暫くしたら取りに来てくれるといったんどかな、それが2週間後なんだよ」
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