呪い

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右手を見てみると、薬指の先端が1cm程横一文字に切れ、傷口からはぷつぷつと血が滲んでいた。 これは…… 中田は微妙に痛む薬指を見ながら、 急に不安な気持ちでいっぱいになった。 背筋に嫌な感覚を覚え、体温が下がった気がする。 中田がそんな感覚に囚われていると、 給湯室から、右手の薬指に絆創膏を巻いた美保が出てきた。 そんな美保を見て、 ん? 良く効く絆創膏ってなんだ? と、中田は思う。 良くは解らないが、取り敢えず、自分も絆創膏をしようと思い、給湯室に向かった。 給湯室にはまだ、伊良部玲子が残って、給湯室の戸棚に、何かを片付けているところだった。
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