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カバンから銅鏡のくるまれた風呂敷を取り出し、カウンターの上に置くと、中田は、
「飲食店の中でこんな話しをしてしまって悪いんですが……」
と、切り出し、喜平から聞いた、この銅鏡の事、午後にこの銅鏡を風呂敷から出してしまった事を話し出した。
「いや、本当にこの銅鏡のせいで澤村君に怪我をさせてしまってすまなかった」
最高に中田がそう結ぶと、美保は、驚いた顔をして、
「そんなに謝らないでくださいよ。
まだ呪いだって決まった訳じゃないんてすし、仕舞っておけば大丈夫なんですよね……
でも、もし、本当なら凄い鏡なんですねえ……
私、もう一度ちゃんと見てみたいですよねえ、マスターも見たいでしょ?」
とマスターに言う。
それを聴いて、マスターは真面目な顔で話し出した。
「呪いですか……
中田さん、確かにそういうモノはあるんですよ……
あ、それと美保ちゃん、呪いがかかってる物は興味本意で近づいちゃだめなんだよ。
呪われるよ、マジで」
「え……
呪いって本当にあるんですか……?」
2人が驚いて顔を見合わせた時、遠くで雷の落ちる音が、店内に流れるブルースの音に混じり、小さく聞こえた。
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