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雷の音と共に、どうやら雨も降りだしたらしい。
小さな雨音が中田の耳に入る。
「中田さん、美保ちゃん。
呪いはね、本当にあるんだよ」
マスターは2人の顔を見ながら、ゆっくりと話し出す。
「ん~……
呪いってのは結構簡単でね、
その気になれば、誰にでもかけれるし、物にだってかけれるんですよ。
現に中田さん、貴方だって今、少し呪われてますし、美保ちゃん、君だって呪われかけているんだよ」
「!!
マスター、私呪われかけてるんですか!?」
驚く美保の横で中田は背筋に冷たい汗が伝うのを感じたが、マスターの顔わ見て、少しほっとした。
彼の表情が、笑顔たったからだ。
なんだ、冗談なのか
そう思ったら、馬鹿にされた様な気がして腹がたってきた。
「マスター、悪い冗談はやめてほしいな」
少し憮然とした顔をして中田が言うと、
マスターは、少し困った顔で中田に言った。
「すいませんでした。
しかし、中田さん。
呪いってのは本当にあるんですよ。
本当にあるから、中田さんの呪いも、解くことができるんですよ」
そう言って、マスターはまた、笑顔になった。
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