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少年は尚も叫び続ける。
「おい、てめぇら何無視ってんだよ! 聞こえてるんだろうが!? ぶっ殺すぞ!」
シンと静まった漆黒の空間に、少年の声だけが響く。だが、やはり誰も声を上げない。
ゾクリと背中に悪寒が走る少年。
こんなに気配があるのに、誰の息遣いも聞こえないのだ。真っ暗な闇しか無いのに、沢山の人の視線を感じる。
ドクンドクン。
自分の心臓が五月蝿いと思ったのは初めてだった。蛇に睨まれた蛙、というのはこういう気分なのだろうか。
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