3/17
104人が本棚に入れています
本棚に追加
/99ページ
 日曜日の夜、ガキ使を見たあとはどうしようもなく寂しい気持ちになる。  なんでだろう?  童貞だからか? 「彼女ほしいーよー」  布団に寝転がって枕に顔を埋めながら悶々とする。  明日から月曜だ。また学校だと思うと本当に憂鬱だ。  学校は嫌いじゃない。むしろ好きなほうだった。行きたくないのは理由がある。 「やりてぇーよぉー」  布団の上で発情した犬のように小刻みに腰をふる。  不意に視線を感じて、顔をあげる。妹と目があった。  しまったと思った。部屋のドアが半分開いていた。  しばらく妹と見つめあった。とても冷たい目で見られていた後、首を横に振って自分の部屋に入っていった。  チクショウと思った。そして悲しくなった。なにが悲しくて妹にあんな目で見られないといけないのだ。  妹は今年で中学三年生だ。今年は受験だ。  あー嫌だ。嫌だ。そこでふと思った。妹に彼氏はいるのかなと。  中学生なんてものはそういうのに興味津々だろう。実際に僕がそうだったんだから間違いない。兄の僕から見ても妹はイケてる部類に入るんじゃないだろうか。 ……もうヤッタのか?  疑問に思った。  今時の女は中学生ぐらいで処女を捨てるんだろ?下手すると小学生でって話も聞く。  いや本当かどうかわからないけど。だって僕、童貞だもの。 「あー女とやりてぇ。できれば処女と」  できればっつうか、もう切実に願うよ僕は。  僕も初めてなんだから相手も初めてがいい。  惚れた女が処女だったらもう最高じゃないか!  それで僕が処女膜破れたら一生その子と添い遂げるよ。いや本当に。  最低。と誰かに言われた気がする。  うるせぇ と思った。  いいじゃないか。しょうがないだろ。だって僕童貞なんだから。  僕は誰かに向かって呟くことにした。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!