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日曜日の夜、ガキ使を見たあとはどうしようもなく寂しい気持ちになる。
なんでだろう?
童貞だからか?
「彼女ほしいーよー」
布団に寝転がって枕に顔を埋めながら悶々とする。
明日から月曜だ。また学校だと思うと本当に憂鬱だ。
学校は嫌いじゃない。むしろ好きなほうだった。行きたくないのは理由がある。
「やりてぇーよぉー」
布団の上で発情した犬のように小刻みに腰をふる。
不意に視線を感じて、顔をあげる。妹と目があった。
しまったと思った。部屋のドアが半分開いていた。
しばらく妹と見つめあった。とても冷たい目で見られていた後、首を横に振って自分の部屋に入っていった。
チクショウと思った。そして悲しくなった。なにが悲しくて妹にあんな目で見られないといけないのだ。
妹は今年で中学三年生だ。今年は受験だ。
あー嫌だ。嫌だ。そこでふと思った。妹に彼氏はいるのかなと。
中学生なんてものはそういうのに興味津々だろう。実際に僕がそうだったんだから間違いない。兄の僕から見ても妹はイケてる部類に入るんじゃないだろうか。
……もうヤッタのか?
疑問に思った。
今時の女は中学生ぐらいで処女を捨てるんだろ?下手すると小学生でって話も聞く。
いや本当かどうかわからないけど。だって僕、童貞だもの。
「あー女とやりてぇ。できれば処女と」
できればっつうか、もう切実に願うよ僕は。
僕も初めてなんだから相手も初めてがいい。
惚れた女が処女だったらもう最高じゃないか!
それで僕が処女膜破れたら一生その子と添い遂げるよ。いや本当に。
最低。と誰かに言われた気がする。
うるせぇ と思った。
いいじゃないか。しょうがないだろ。だって僕童貞なんだから。
僕は誰かに向かって呟くことにした。
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