菜摘さんと陵汰くん。

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「ふっ……ククッ!」 笑いが込み上げてきた。 「あっはっはっはっはっはっは!」 黒田が、変なものを見る様な目を向けたけど、気にせずに笑い続けた。 「ははははははははははっ」 不覚にも、ドロケイで感動してしまった自分が可笑しくて。 自分よりも10cmも小さくて。 自分よりも可愛い顔をした男の子を。 カッコいいと思ってしまった自分が、可笑しくてたまらない。 けれど再び自分の中にできあがった感情は、今度は滅多なことでは崩れないだろう。 「吉野も笑うんだな」 黒田が、ちょっと失礼なことを言った気がするけど。 今はそれも咎める気にはなれないくらい気分が良い。 「総監。また、やられましたーー」 テラスに男の子が入ってきた。 久保田だ。 この子もドロケイやってたんだ。 「あ、吉野」 私を見て驚いた顔をする。そして少し赤くなる頬。 「今日は終了!」 黒田はそう言って携帯を取り出し、かけ始める。 「陵汰か?次は逃がさねーからな……それじゃマック寄って帰るぞ、またな」 携帯をポケットにしまった黒田に声を掛ける。 「私も一緒に行っていい?」
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