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1日目は高原陵汰の中毒性を知った。
2日目は何かの違和感を感じた。
そして3日目の今日。
違和感の理由に気付く。
陵汰は。私のものになんかなっていない。
私は、陵汰にとって大勢の女の1人でしかなかったのだ。
私に向ける優しさは、他の女へ向ける優しさと変わらない。
特別扱いはされても。
『特別な存在』ではない。
陵汰は、再び寝返りを打ち仰向けになった。
耳元に唇を寄せる。
「どうして気付いたか分かる?」
繰り返される穏やかな呼吸。
「あなたは、私にとって特別だからよ」
ゆっくり上下する胸に顔を乗せると陵汰の鼓動が伝わってくる。
私の体温を感じたのか、腰に手が添えられた。
抱き寄せるように触れる手。
彼の仕草は、私の中にある全てを掴んでしまう。
「ねぇ、陵汰」
「んー……?」
「別れたい」
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