菜摘さんと陵汰くん。

22/24
前へ
/40ページ
次へ
長い長いキスを終えた。 「今から、お友達」 「了解」 良かった。 間近で見る茶色の瞳の中の私は笑っていた。 いつもの自分がいることにホッとする。 ベッドから降りて、フローリングに落ちてる服を拾う。 「バスルーム借りるね」 「使い方分かるよね?」 「大丈夫」 「あ、菜摘……」 少し熱めに設定したお湯を浴びる。 バスルームの中が雲りはじめた。 『あ、菜摘……ちゃん』 『何?』 『俺、何かした?』 『何も』 陵汰が好き。 陵汰が欲しい。 望めば叶えてくれたね。 たった3日間の短い夏。 今までで1番幸せな夏。 ねぇ、陵汰。 私が、本当に欲しかったのは。 あなたの心なんだよ。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

101人が本棚に入れています
本棚に追加