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放課後、北校舎の裏庭に呼び出された。
中等部校舎は古く、入り組んだ造りになっていて、特に北校舎は放課後ともなると人気がまったくなくなる。
「ほら言ったじゃん。結構、いーだろ?」
「へーこの間まで小学生だったとは思えないな」
「いんじゃね?」
はじめ、自分を呼び出した上級生の3人が、何を話しているか意味が分からなかった。
本当にバカな子供だ。
進学校である城学に、あんな質の悪い生徒がいるとは思えなかったけど。
後々聞いた話しでは、勉強に付いていけなくなった生徒の中には高等部への進学を諦め、学校側が持て余すくらい荒れる者もいるらしい。
入学したばかりの1年生は自分達のことを知らない。
玩具にするには恰好の餌食だったんだろう。
当時、年齢よりも大人っぽく見えた私は、その質の悪い連中に目を付けられたのだ。
「じゃ、おにーさん達と遊ぼうか」
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