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彼らの言う『遊ぼう』の意味も分からなかったが。
直感で、ここにいたら危険だと言う事は分かった。
「あの……」
「あーー何?聞こえねー」
「ギャアギャア喚かれる方が面倒だろ」
「一応言っとくけど。ここ、放課後は誰もいねーから」
「騒ぐだけ無駄」
「そーゆーこと」
怯える私を、3人は愉快そうに見下ろし、下卑た笑いを浮かべる。
目の前の恐怖に言葉を失い、動く事も出来ない。
皮肉にも、北校舎の裏庭は美しい八重桜が満開だった。
八重桜は私が1番好きな花。
「お前ら!」
その時、どこからか声が聞こえた。
少しハスキーな可愛らしい声。
「なんだあ?」
彼らは驚いてはいたが、慌ててはいなかった。
その可愛らしい声の主はどう考えても大人ではない。
声が聞こえたのは、私が背にしていた校舎の2階。
見上げると、窓から誰かが身を乗り出している。
「何やってんだよ」
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