第一章 仲間は何処だ?

6/30
前へ
/561ページ
次へ
「お久しぶりです。中へ入っても?」  苦笑しながら僕が問い掛けると、ニア学園長は頷きながら扉を大きく開ける。 相変わらずソファーに毛布がかけられており、日夜関係無く働いているんだなと感心した。 「あ、ちょっと待ってね」  僕の視線に気付いたニア学園長は、慌ててソファーへ乱雑にかけられていた毛布を手に取る。 それを自身の机に畳みながら置くと、僕に座れと促した。  紅茶を淹れてきたニア学園長は、僕にそれを差し出すと対面に腰を下ろした。 「それで……何があったの?」 ――相変わらず察しが良いな。  僕は紅茶を一啜りした後、アカデミーを出発したあの日からの経緯を順に説明する。 アデル達と出会い、後に訪れた遺跡でゴメス達と離れ離れになってしまった事。  ポルエンドに降り立ち、そこでアデル達が全滅してしまった事。  静かに耳を傾けていたニア学園長は、両手に持った紅茶をテーブルへ置くと、これからどうするのかと訊ねてきた。
/561ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12303人が本棚に入れています
本棚に追加