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「お久しぶりです。中へ入っても?」
苦笑しながら僕が問い掛けると、ニア学園長は頷きながら扉を大きく開ける。
相変わらずソファーに毛布がかけられており、日夜関係無く働いているんだなと感心した。
「あ、ちょっと待ってね」
僕の視線に気付いたニア学園長は、慌ててソファーへ乱雑にかけられていた毛布を手に取る。
それを自身の机に畳みながら置くと、僕に座れと促した。
紅茶を淹れてきたニア学園長は、僕にそれを差し出すと対面に腰を下ろした。
「それで……何があったの?」
――相変わらず察しが良いな。
僕は紅茶を一啜りした後、アカデミーを出発したあの日からの経緯を順に説明する。
アデル達と出会い、後に訪れた遺跡でゴメス達と離れ離れになってしまった事。
ポルエンドに降り立ち、そこでアデル達が全滅してしまった事。
静かに耳を傾けていたニア学園長は、両手に持った紅茶をテーブルへ置くと、これからどうするのかと訊ねてきた。
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