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前に身を乗り出した僕は、ニア学園長に視線を戻した。
そして、先程思いついた考えをぶつけてみる。
「そうね。あるかもしれないわ」
首を縦に振ったニア学園長は、その場に立ち上がった。
ラクシアの許へ行くのだろうと、僕も数瞬遅れ立ち上がり、二人で庭園へ向け歩き始める。
廊下に出ると、既に授業を終えた校舎内は静けさに包まれ、僕達の足音のみが反響した。
特別な会話も見当たらず、僕はただ黙ってニア学園長の隣を歩く。
やがて庭園を訪れた僕達は、ラクシアの許へ向かった。
『フェイト! 久しぶりだね!』
近づくや否やラクシアの声が脳内へ響き、僕はフッと口元を緩ませた。
「久しぶりだね。ラクシア」
神樹の目前まで歩み寄った僕達は、先程考えた内容を投げかける。
「ラクシア、神樹同士でコンタクトはとれないかな?」
『あ、出来るよ! あんまり遠くなければだけど……』
僕はニア学園長に説明した内容と同じものをラクシアへ説明し、協力してくれないかと願い出た。
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