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『勿論! フェイトの頼みだからオッケーだよ! ちょっと待ってね……』
二つ返事でラクシアは了承し、僕は胸を撫で下ろした。
直後、神樹全体を淡く白い光が包みこみ、不思議と辺りが静寂に包まれる。
全ての時が止まったかの様な錯覚を覚えていると、ざわり――と、神樹の枝葉が僅かに揺れた。
『終わったよ! えーとね……』
大陸内の神樹にコンタクトをとり、「ゴメス達を見かけなかったか」とラクシアは訊ねたそうだ。
しかし、返事は「NO」で、大陸……サイフォリア内にはいないだろうと。
「そっか……ありがとう」
『ごめんね……力になれなくて……』
しょげた口調のラクシアを宥め、僕はニア学園長に向き直った。
「学園長。僕は西の大陸……”ガルフォニア”へ行きます」
西の大陸、ガルフォニア。
サイフォリア国王、”ダレド・サイフォリアⅧ世”の直系にあたる親族。
”グレモリア・ガルフォニアⅦ世”の治める国だ。
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