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乗船許可証は他の大陸へ渡る為に必要なもので、これが無いと外洋船に乗せてもらえない。
それには一応理由があり、航海中に魔物と出くわす事があるからだ。
目的と実力が合致しない限り、中々出してもらえないとも聞く。
目的は別として、僧侶と魔法使いだけのパーティが実力充分だと認められるかどうかは、正直分かりかねる。
そもそも、ニア学園長が魔法使いだなんて、見た目からの推測にしかすぎないのだけど。
加えていえば、アカデミーのトップに立つ人間の実力がどの程度かも定かではない。
ニア学園長の実力については、魔物との戦闘があれば直ぐにでも……
「――っと、タイミング良く現れたね……」
『ガアアアアッ!!』
突如現れた魔物は、全身真っ黒な熊といえば分かりやすいか。
その名もダークベアー。レベル10の、はっきり言えば弱い魔物だ。
「ニア学園長。お手並み……」
「――”ホーリー・ランス”!」
僕の言葉半ばに、ニア学園長は詠唱破棄で魔法を発動させた。
ダークベアーを囲う様に生まれた幾つもの輝く槍。
それは中心に佇むダークベアーへ一斉に襲いかかった。
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