第一章 仲間は何処だ?

17/30
前へ
/561ページ
次へ
 他愛ない話を繰り返し、やがて王城まで辿り着いた僕達は、手近にいた兵士の一人へ声をかけた。 「すいません。陛下と謁見したいのですが」 「――あ? それなら……っ!?」  やけに態度の悪い兵士だと思いきや、なんとそれは見知った人物であった。 「え……クラウス?」 「フェイト……フェイト・エイザムぅぅぅぅ!」 「うわっ!?」  鋭角な甲冑に身を包んだクラウスは、突如抜刀すると僕へ斬りかかってきた。 周囲にいた人々は何事かとざわめき始め、僕達を取り囲むと奇異の視線を送ってくる。  傍観していないで助けてほしいのだが、次の瞬間クラウスが信じられない行動に出た。 「賊だ! 賊が侵入したぞおおおお!!」 「ええっ!? ちょっ……」  バタバタと新たな兵士達がかけつけ、僕とニア学園長に剣先をつきつける。 これはまずい事態になった。まさかクラウスがここまで逆恨みしていたとは。
/561ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12303人が本棚に入れています
本棚に追加