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他愛ない話を繰り返し、やがて王城まで辿り着いた僕達は、手近にいた兵士の一人へ声をかけた。
「すいません。陛下と謁見したいのですが」
「――あ? それなら……っ!?」
やけに態度の悪い兵士だと思いきや、なんとそれは見知った人物であった。
「え……クラウス?」
「フェイト……フェイト・エイザムぅぅぅぅ!」
「うわっ!?」
鋭角な甲冑に身を包んだクラウスは、突如抜刀すると僕へ斬りかかってきた。
周囲にいた人々は何事かとざわめき始め、僕達を取り囲むと奇異の視線を送ってくる。
傍観していないで助けてほしいのだが、次の瞬間クラウスが信じられない行動に出た。
「賊だ! 賊が侵入したぞおおおお!!」
「ええっ!? ちょっ……」
バタバタと新たな兵士達がかけつけ、僕とニア学園長に剣先をつきつける。
これはまずい事態になった。まさかクラウスがここまで逆恨みしていたとは。
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