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僕のレベルはウルフより遥かに高い。
しかし、これが僕の攻撃力の現実だ。
――せめて武器があれば……
周囲を軽く見渡し、何かないかと探してみる。
しかし、残念ながら武器になりそうなものはなく、仕方なく僕は障壁を展開させた。
「――”精霊の守護”発動」
僕を中心に半円状の幕が広がる。
精霊から受け継いだ絶対守護の力。
それを具現化させ、僕は一目散に逃げ出した。
三十六計逃げるに如かずってね。
アカデミーへ向け全力で走りだした僕の背後から、4体のウルフはしつこく追いかけてきた。
ていうか、並走されているんだけどね。
幸いウルフ達は障壁を警戒し、襲いかかってくる事は無かった。
攻撃を受けない限り消耗しない障壁を纏ったまま、僕はやがてアカデミーの目の前に辿り着く。
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