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逃げる、という言葉に少女は少し戸惑った
自分は見ての通り動けない
「ましてや彼のお荷物になってしまう
きっと彼女はそう考えていたに違いなかった……なのに」
死ぬなんて怖くない!行こうよ!!一緒に
そして自由を手に入れるんだ
「私の真っ直ぐな答えに彼女を…ああー連れだそうとした私は機械のスイッチに触った」
電力低下スイッチそれを押せばカプセルは開く仕組みになっている
彼女にとって自由は未来永劫叶わないものだと思っていた
それでも彼が私を出したいのだと言うなら…………
『うん…分かった、一緒に行こうね!』
嬉しそうな声を聞いて、スイッチを押した
彼女の体からはケーブルが外されホースも外された
これで彼女は自由になれる―――――そう思っていた
ビービービービー!!
警報!?どうして?
もしかしたら自分の居場所がバレたのか!?
それともこれは何かのサイレンか!?
「私は迷ったさ。逃げるか、隠れるかどうするかって
でもそれさえ出来なかった
何故なら彼女が―――」
『ああああああああ!!』
彼女のカプセルの水が抜かれた瞬間彼女は悲鳴を上げ始めたのだ
『痛い!!苦しい!!助けて!!
ああああああああ!!』
「私はとんでもないことをしてしまった。彼女の言う通りにしとけばよかったのだ
じゃなきゃ……………」
ウィィン
「実験体め!手を上げろ!!でなきゃ撃つぞ!!」
あっしまった!!
その後私は全くの無抵抗のまま再び捕まってしまった
近くに彼女が悶え苦しんでいるのだから尚更だった
幸い彼女は後から来た人達によってなんとか無事だったようだ
それだけはよかった、それだけは―――――――
私はまた、深い眠りに着いた
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